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明日への遺言 特別版 |
戦争を美化するつもりはありませんが、
こんな素晴らしい将校が日本軍にはいたのですね! 「勝ったら何でもアリ、負けたら何でもダメ」という 戦後の日本を取り巻く状況に屈することなく、 最後まで筋と信念を通したこの岡田中将は、 まさに男の中の男ですね! これはぜひ多くの人に見てもらいたい映画です! |
野火 |
この映画を単に戦争映画と呼ぶのには抵抗がある。戦争という極限状態に置かれた人間ドラマである。その意味で、この映画は、実際に戦地の悲惨を見て来た大岡昇平の原作があり、また戦争を経験した市川崑であるから撮れた映画かもしれない。残念ながら原作は読んでいないので,比較することはできないが、戦争の悲惨、戦争の皮肉を描いた映画として世界に冠たる映画だろう。少なくとも戦勝者であるアメリカやイギリスでは作れない映画がここにある。モラルを飛び越えてしまう戦争の恐ろしさ、もの悲しさが白黒の画面を通して鮮明に伝わって来る名作である。多くの自作映画をリメイクした市川監督であるが、この作品のリメイクがなかったことが興味深い。 |
事件 |
野村芳太郎監督が大岡昇平の原作を映画化した彼の代表作の一つです。当時雑誌「シナリオ」に掲載された新藤兼人の脚本は見事でしたが長大で、映画化にあたってはかなり短くされているはずですが、よくここまでコンパクトにまとめあげたと思う。
特筆すべきは出演者たちのハイレベルの演技で、裁判に関わる人間と証言者を丹波哲郎、芦田伸介、佐分利信、森繁久弥、北林谷栄らのベテランが演じ、事件関係者を松坂慶子、大竹しのぶ、永島敏行、渡瀬恒彦らの当時の若手が熱演しています。この作品の後、松坂慶子は松竹の看板女優として人気、演技力ともピークを迎え、演技の天才と言われていた大竹しのぶは助演女優賞を総なめし評価を決定的にします。永島敏行は容貌からこの後しばらくは安易な戦争大作への出演が続きますが、現代劇に戻った「遠雷」で主演男優賞を得るまで成長し、やくざ映画の準主役だった渡瀬恒彦はこの作品をきっかけに演技派へと変身します。彼らの現在の活躍の原点ともいえる名作です。 法廷シーンもあきさせないし、最後の終わり方(大竹しのぶの表情!)も秀逸 |
野火 (新潮文庫) |
「神に栄えあれ」で終わるこの小説は、数々のメタファーに満ち溢れ、特に最終章の意味するところは「深すぎて」消化しきれないものだった。
戦場で生き残り、飢えと乾きに朦朧としながらも野火の方角へ歩き続ける一等兵がいる。一等兵は人肉で飢えを満たすという欲望に突き動かされながらも、すんでのところで踏みとどまる。神の声を聞いたため、神が宿った左手が喰おうとする右手を押しとどめたため、と彼は考える。しかし日本兵を殺して喰っていた戦友永松から、無理やり「肉」を口に押し入れられ、久しぶりの脂肪を味わってしまう。このとき悲しみながらも「左右の半身は、飽満して合わさった」と一等兵は感じる。 野火を目指して歩いたのは、そこにいるであろう人間共を懲らしめ食べたかったのではないかという。しかし彼は死後、彼が殺した者達とともに「黒い太陽」を笑いながら見る。彼らが笑っているのは一等兵は彼らを「私の意志では食べなかった」からである。 戦場で人を殺しても、知らずに人肉を食べてしまっても、自分の意思で人肉を食べさえしなければ神に赦されるということなのか。このとき「自分の意思で人肉を食べない」ということは何かのメタファーなのか。 当分脳裏に留めておかねばならない気がする。 |
ながい旅 (角川文庫 お 1-2) |
映画『明日への遺言』の原作です。
名古屋の空襲のときに、不時着した米兵を処断したという罪状でB級戦犯とされ、刑死した岡田中将の裁判の様子を淡々とした筆致で描き出していきます。岡田中将は、裁判で、部下をかばい責任はすべて己れにあるとしつつ、無差別爆撃をした米軍もまた国際法違反であることを論理的に訴えていった人物です。 著者は、なるべく正確かつ客観的に戦犯裁判の背景や岡田中将の発言、家族とのやり取り、遺書などを記していきます。冷静な筆致だからこそ、極限状況に置かれた中での美しい生き方、武人としての責任の取り方が浮かび上がり、胸に迫ります。また岡田中将が戦時中に置かれた状況の困難さと決断と行為の意味について考えさせられます。 本書は、映画の公開に合わせて出版された新装版です。活字も文庫本にしてはそれほど小さくなく、読みやすいです。 ただ、本書に収録された学者の解説は少々蛇足のように感じます。著者の大岡昇平氏が、なるべく賢しらな道徳的観点を交えず、ただ岡田中将の生きざまを描写しようと徹したのに対し、解説は、現代の視点から若干頭でっかちの論評を加えているように感じ、本書の趣が損なわれているように思います。 |
俘虜記 (新潮文庫) |
米軍に捕まり俘虜(捕虜)となり収容所に送られるところから始まり、残りの大部分は収容所での生活について書かれていて、最後に日本に帰還するところで終わる。
戦争小説というよりは、収容所の生活の記録という感じで、特に周りの人の戦歴・性格などを細かく書いている部分が多かった。 読んでみて、筆者は人のことを見抜く洞察力と記憶力が抜群に良いなぁ、と感心した。 もともと三冊だった本を一冊にまとめたものらしく、たまに被っている描写があり、何よりページ数が多くやや冗長とも感じたが、最後まで読みきると、あたかも自分もそこで生活していたかのような気分にもなった。 当時の空気を感じることができて、そういう意味では、とても面白い本だと思う。 |
もしもこんな 大岡昇平 がいたら・・・
最近ネット上でも話題の 大岡昇平。どこまで本気なのかちっとも分からないが、おもしろい連中であることには間違いない。
ストリングスとピアノで彩られたサウンドであらたに録音され、七夕にぴったりなアコースティック・バージョンに仕上がっています。
、、ってそんな話を聞いたらやっぱり思い出したのがこれっすね。
『 なぜ美人はいつもつまらぬ男と結婚するのだろう。賢い男は美人と結婚しないからだ。 』( サマセット・モーム )
どういう意味やねん^^;
玩具の賦/昇平に捧げる
もうひとつの献呈詩の相手は大岡昇平。 昇平に、と呼び捨てでの献呈です。 小林秀雄宛の内容が「神」だったのに対してこちらは「玩具」です。 極めて対照的ですが極めて相似的です。 神も玩具(おもちゃ)も中原中也には絶対的なもののようでした ...
事件 (大岡昇平)
事件 (大岡昇平) 1 - 小説 1.1 - あらすじ 2 - 映画 2.1 - キャスト 2.2 - 受賞 3 - テレビドラマ 3.1 - NHK総合(若山富三郎版) 3.1.1 - シリーズ 3.1.2 - スタッフ 3.1.3 - キャスト 3.1.4 - 事件(1978年4月9日~4月30日・全4回) ...
「白痴群」の中也と大岡昇平2
大岡昇平は「白痴群」の頃、つまり、昭和4、5年の頃を回想して、「白痴群」というタイトルの論評(これも中原中也評伝の一つにすぎない)を、戦後およそ10年を経てまとめているのですが、これをもしも中也が読んだら、どんなかことになるのか、また二 ...
「白痴群」の中也と大岡昇平
はっきりした主義主張があるわけでなく、中原の交友範囲の文学青年が十円の個人費を持ち寄っていたずら書きを活字にしただけのものである。従っていつも原稿の集まりが悪く、翌五年四月までに六号を出して廃刊になった。 (「白痴群」大岡昇平、「文学 ...
北京も良いが、広島・長崎の事も・・・。
大岡昇平が、生前こんな事を言ってました。「日本人は豊かになって、うかうか暮らしているが、8月6日から15日までは、日本人が正気を取り戻す時だ!」と……。そ~なんですね…?8月15日までは、正気を取り戻して、戦争について考える時です。...
春秋
フィリピン・レイテ島をさまよう敗残日本兵の極限状態をテーマにした小説「野火」を、大岡昇平は昭和21年に書き始めた。占領下の当時、アメリカ兵を指して「敵」と呼ぶことはGHQに許されず、「相手」としか書けなかった、と後に振り返っている。 ...
大岡昇平「オフィーリアの埋葬」 悲しみを引き受ける女性
大岡昇平さんの小説で、ハムレットの二次創作・翻案小説「オフィーリアの埋葬」という作品があります(「戦後短編小説再発見3さまざまな恋愛」に収録)。ここで、亡霊のオフィーリアがハムレットをなんとか救おうと、一生懸命、頑張るのですが、 ...
それでも古本屋めぐり
いつものコースを巡り、購入した本は次の通り。Bでは目ぼしい物がなく、新宿へ。 【購入本】 大岡昇平『成城だより』(文藝春秋) 大岡昇平『成城だより?』(文藝春秋) 渋沢秀雄『らくがき帳』(東京美術) 村上元三『四百字三十年』(番 ...
俘虜記 (新潮文庫) (文庫) 大岡 昇平 (著)
俘虜記 (新潮文庫) (文庫) 大岡 昇平 (著). |Vintage KIQS|iAudition-blog2|イズサウンド|RADIO UNDERGROUND|POGO77RECORDS|斉藤亜実|顔文字(アニメGIF)恋のダウンロード♪ふったりパレード♪(^^)v|詩人、俳優、近藤善揮の独り言|瀬戸際の踊り子 ♪,・`* ...
大岡昇平 「野火」
大岡昇平。ここにまた日本文学界の類稀なる天才がいます。この人の才能は非常に多岐に渡って証明されています。翻訳、戦記もの、推理もの、恋愛もの・・・いろんな形でその才は発揮されていきました。戦争中は出征して、フィリピンで捕虜になりますが、 ...