純粋に面白いと言えないが・・・ おすすめ度 ★★★☆☆
天と地とは、海音寺潮五郎さんの原作をまず最初に読みました。架空の登場人物やエピソードが史実にうまくはまっていて、なかなか面白いです。あまりにも読み物的になっているので、史実重視の人には不満かもしれませんが。映画は公開当時に劇場で見たのですが、印象としては原作を台無しにされた、と思ってしまいました。原作を脚色しまくりほとんど別物になっています。歴史ファンでない人には、長尾景虎の人格形成やストイックな行動原理は、少年期のエピソードがないと判りづらいのでは?と思うのですが、この辺りはかつて劇場公開時にTVスペシャルとして製作放映されています。日本の四季を意識した映像や、赤い集団と黒い集団がぶつかり合うクライマックスなど映像は綺麗で、迫力がありますし、小室哲哉のBGMも映画を盛り上げてくれます。しかし、ストーリーは無いに等しいのでじっくり観る映画というよりも、バックビデオとして映像と音楽を楽しむぐらいの軽い気分で観るといいでしょう。
概要
戦国乱世の時代、上杉謙信(榎木孝明)と武田信玄の宿命の対決を、川中島の合戦をクライマックスに描く角川春樹監督の時代劇超大作、その海外戦略のために製作されたもの。『チャンプ』『天国から来たチャンピオン』などで知られるハリウッドの編集者ロバート・C・ジョーンズが再編集を施しており、日本的情緒や宗教的色彩などは薄まっているが、代わりに合戦などバトル・シーンが際立った娯楽色の強いものになっている。また海外の観客に日本の歴史をナレーションでわかりやすく説明する配慮もなされており、そのため日本人で歴史が苦手な方も理解しやすいものになっている。そのナレーションを担当したのは『素晴らしきヒコーキ野郎』『略奪戦線』などで知られる往年のハリウッド・スター、スチュアート・ホイットマン。ジョージ・ケネディやグレン・フォードなど、かねがね海外スターを積極的に出演させていた角川映画らしいキャスティングといえるだろう。(的田也寸志)
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