妖艶な裏社会。おすすめ度
★★★★★
愛蔵版は一冊で、厚さ4cm、500ページを超える。
これ読めんの?と思って手に取ったが、若干読みにくいものの、紙質が柔らかいから問題なく読めた。
この愛蔵版は、全24巻の名作「女帝」をまとめた(2巻ごと1冊にまとめた)ものである。
この「女帝」と「サラリーマン金太郎」とを読み比べれば、女道と男道との両方を堪能できる。
女性に踏み込めない男の世界があるように、男性には踏み込めない女の世界がある。
裏社会を覗き見れば、なんと表社会の薄っぺらいこと。
真面目が一番なんてのは弱者の言い訳だろ。
弱肉強食の世界で生き残るための最も有効な武器は頭の良さ。
法律の介入しない世界でも、破ってならないルールがある。
それが人の道。筋を欠いたら、その世界では生きてゆけない。
信用、それこそが最も大きな力。
孤独だけど女帝を目指してたくましく生きる女・彩香の人生から学ぶことは多い。
女帝の原点
おすすめ度 ★★★★☆
『女帝』全24巻のだいたい二冊分位の分量の愛蔵版、第一巻
彩香の高校時代から、大阪での作家・大沢謙吾をめぐるNo.1の麗子との駆け引きまでを収録。
人との出会いは一生の宝などと言いますが、後の女帝・彩香にとってもそれは当てはまる。
盟友・伊達直人、親友の美樹ちゃん、公私共に大きな支えとなる作家・大沢謙吾、大阪のお母さん、女帝・彩香の基礎を創ったミナミの妖怪・美濃村社長などなど、後々まで物語に欠かせない重要な人たちが登場してきます。
読んでいて羨ましくなるくらいの素晴らしき出会い。
それも彩香の魅力のひとつなのでしょう、素敵な人は自然と他人を惹きつける。
この時点ではまだまだ「女帝」には程遠いが、それでもその大器の片鱗はうかがい知れる。
ただ、本が厚くなったので読みづらいのが難点。