トリックもギミックも意図もなければ変哲も屈託もないロックンロール。「ロックンロール」としか形容しようのないロックンロール。それを今やってのけてしまう勇気はすごい。もっともっとかっこいい音楽はいくらでもあるのだ。デビュー作から実に三年越しとなるサブウェイズのセカンド・アルバムである。タイトルが素晴らしく良い。ロックンロールは、やはりこうでなくてはいけない。
本作の発表に至るまでの三年の間に、サブウェイズは余りにも重大なひとつの問題にぶち当たっていた。ボーカルのビリーの声帯がイカれてしまい、もう二度と声が出せなくなるかもしれないという最悪の診断を受けていたのだ。それは、メンバーにサブウェイズとしての音楽活動の終焉を突きつけていた。それでも彼らが曲を書き溜め、リハーサルを繰り返し、本作発表までなんとか漕ぎつけた理由を、僕は「ロックンロールに対する信頼」としか答えることができない。そういえば、サブウェイズは最初からそういうバンドだった。デビュー作で彼らがあんなにも力強く前のめりになれていたのは、人生がどれだけ重たくて苦しいものであっても、それでも揺るぎない「何か」を内に秘めていたからだ。自分の中に最後まで信じ抜けるものさえ持っていれば、人はどんな時でもポジティヴに生きることができる。「待っている人がいる」という信頼のみをガソリンに転化して、満身創痍の状態になっても走り続けたあの男と同じだ。夢も見られずに、希望も抱けずに、ロマンも持てずに、ロックンロールがやれるか。当人以外には絶対に理解し得ないこのありがた迷惑なほど無責任なポジティヴネス。これは、ロックンロールの奇跡である。
会心の一作おすすめ度
★★★★★
やったぜ、サブウェイズ!
思わずそう言いたくなる、根性の入ったセカンド。
前作からのメロディセンスやコーラスセンスはそのままに、
ギターがアメリカンな響きと空気感、ドラムとベースがタイトでツボをつくようなグルーブを、それぞれ完全に会得。
一瞬、イギリスのバンドだってことを忘れてしまうほど。
ニルヴァーナなどを手がけた、ブッチ・ヴィグをプロデューサーに向かえ、
一気に秘めていたポテンシャルが開花!といったところか。
決して古くもなく、さして新しくもない、そんな普遍的ロック・アルバム。
『とにかく何処かを振り切ってしまえば勝ち』、なんていう思考停止な枠に収まらない、統一感。
ポップでも重く、ヘヴィでも柔らかい。
そんな、バランス感覚がとても心地よい。
やったぜ、サブウェイズ!
良いアルバムです。
待っていたよ…
おすすめ度 ★★★★★
期待のUKロックの若手バンド三年ぶりのアルバム!!前作が良かっただけに今作ではどのように暴れてくれるのか!!期待大!!
サマソニで待ってるぜ!!