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勝手にしやがれ

ジャン・リュック・ゴダール
おすすめ度:★★★★★
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刹那がパリを駆けぬける!
おすすめ度 ★★★★☆

ヌーベル・ヴァーグの衝撃!
圧倒的なまでの刹那主義、とりとめのない嘘や暴力、警官を殺そうが、そんなこと事態
まったく構うことなく、追い詰められ逃げ惑う。その一瞬のカットの中に見るスマート
でスタイリッシュなベルモンドの身のこなしこそ、すべては気分だった。そして虚無の
中で相手を信じられない女性。不安を感じながらも、それでも未来をじっと見つめ続け
るセバーグの可憐な瞳。セシルカットとステンカラーコート、ストライプにサングラス
はここで完成したパリのモードとなり、時代を乗り越えた映像世界が現代へファッション
という記号とともに産み落とした影響を見れば、この作品の価値が理解できるところである。
時代を越えた普遍性が古さを感じさせない理由だとしたら、その源泉は1950年代パリの
持っていたエネルギーを、真空パックでフィルムの中に定着させたゴダールのエネルギー
だったのかもしれないと改めて納得する作品です。


概要
ジャン・リュック・ゴダール監督の長編デビュー作にして映画史上に輝く革命的傑作。警官殺しの小悪党(ジャン・ポール・ベルモンド)が、パリにやってきた米国娘(ジーン・セバーグ)に惚れるが裏切られ、路上で警察に射殺される。要約すればこれだけの話を、イタリアン・ネオレアリズモにならって撮影所ではなく、部屋や街路で昼夜かまわずルポルタージュのごとく、手持ちカメラで2人の軌跡を活写。その即興的演出、ジャンプ・カット中心の編集は追随者を次々と生んだ。
実話系週刊紙から原案を提供したのはフランソワ・トリュフォー、監修に名を連ねたのはクロード・シャブロル。批評家仲間で、先に監督進出していた彼らの友情のもと、ゴダールはB級犯罪映画へのオマージュをこめて製作。ヌーヴェルヴァーグの永遠のシンボルといえる1本。(轟夕起夫)

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