シンプル・ザ・オムニバスおすすめ度
★★★★☆
オムニバス作品である。共通項は「東京の乗り物」のテーマだけ。あとは作風もキャストも実にバラエティにとんでおり、この作品すべてを好きになる人間はいないだろうが、どれか一つなら、あるいはそれ以上、好きになれるかもしれない。
作品は全体的に、シンプルだがきれいにまとまっていて見やすい。伝えたいことはよく伝わってくる作品であるように思う。個人的に好きなのは「ランニングフリー」。短い時間の中で十分にストーリーが語られていて最後には不思議な爽快感が残る。あと「東日暮里5丁目」では、最近ドラマでも目にする機会が増えてきた若手美人女優高木りなが、惜しげもなく裸体をさらけ出して銭湯シーンを演じているのにも注目だ。
概要
これまでに『LOVE/JUICE』 『生地獄』などの秀作を世に送り出してきた、つんく主宰の“つんくタウンFILMS”が、今回は松尾貴史「『優しさ』の国」、野沢直子「東京エスカレーター」、ケリー・チャン「約束」、山岸伸「東日暮里五丁目」、日比野克彦「~らしい姿」、陣内孝則「ランニング・フリー」、飯田かずな「マッハ☆85」といった7人の有名人に、それぞれ“東京の乗り物”というモチーフで15分弱の短編を監督させ、オムニバス・ムービーとして1本にまとめた注目作。
既成のフィルムメーカーにはない軽やかで冒険心に富んだ企画を身上とする、同プロジェクトならではの遊び心に満ちた作品といえよう。キャストも深田恭子や田中美佐子、ベンガル、エミ・エレオノーラなどバラエティに飛んでいる。(的田也寸志)