JBの命日に捧ぐ`SOULCHILD`おすすめ度
★★★★☆
まずジャケットにインパクトがあった。ああ、これはカッコイイんだろうなという予感があった。
で、何かのオムニバスで「halfcrazy」を聴いた。それで間違いない!って事で買いました。
リズムと歌が合ってない。ズレてるんですね。これが絶妙。
ズレてるから自然と自分でカラダでリズムを取るようになる。
もうコレでmusiqの術中にはめられてるわけだ。
「ソウルチャイルド」って名前につけてたからか、何とかの申し子と言われる事が多いようですが、
確かに、ヒップホップはついていけないけど何か黒人音楽の現在形が聴きたいなあという方には
お薦めではないでしょうか。
「キングオブソウル」も天国からこの「ソウルチャイルド」を見守ってくれてると思います。
優等生おすすめ度
★★★★★
Musiq SoulchildからMusiqに改名してリリースされた2作目のアルバムです。名前の変化と同じように、前作よりもリラックスしてのびのびとしたアルバムだと思います。ただ、アルバム全体として聞くと素晴らしいのですが、1曲1曲になると、ちょっと印象が弱いかなぁ。
彼の音楽(と人間性もかな?)は、非常に優等生なんだけど、それでいてタイトルにスペースを入れなかったりと、優等生でありつつ人と違っていたいという願望も見え隠れしていて、中々ユニークな存在だと思います。
期待を裏切らない充実の2nd !おすすめ度
★★★★☆
デビュー作『Aijuswanaseing』('00)は、その完成度の高さは認められながらも、スティーヴィー・ワンダー、ダニー・ハザウェイといった70年代NEW SOULの偉大なる先人から、ディアンジェロ、マクスウェル、オマーといったここ数年のNEW CLASSIC SOUL~ORGANIC SOULの立て役者達の名前でしか解釈されず、「才能のある新人であるが所詮は二番煎じ」といった厳しい評価がメディアの主要見解だった。しかしそんな玄人衆の否定的見識を余所に、Musiqのデビューアルバムは発売当初こそ無数のアーティスト達に埋もれていたものの、日を追うごとに頭角を現し、"Love"というスマッシュ・ヒットも生んで、ついにはミリオン・セラーを達成した。こうしたマーケットの柔軟な反応に呼応する形で、当初は辛口であったメディアの間にも次第にMusiqのオリジナリティを評価する声が出始め、最終的にはソウル・トレイン・アウォーズにてベストR&B/SOULアルバムを受賞したのを筆頭に、HIP-HOP関連の賞までも受賞するなどMusiqは数多くの栄誉に輝き、Bilal等と並んでソウルクエリアンズが活動拠点としているフィラデルフィア発ニュー・フィリー・ソウルの顔と呼ばれるまでに至った。
そんな経緯を経ての約1年半ぶりとなるニュー・アルバムが本作であるが、前作で見せたHIP-HOPテイストばりばりのホットなトラック上で、かなりオフ・ビート気味に言葉を発しながらしなやかにメロディを紡いでゆく、といった彼の独創的音楽性にさらに磨きがかかった、見事な傑作に仕上がっている。このオフ・ビート・スタイルは確かにディアンジェロがパイオニアであるが、Musiqの場合はそれをさらに徹底し、進化させたものである。Musiq自身、多くのインタビューで「自分は歌うMCである」と語っているが、まさにソレ。ある時は完全なまでにリズムを無視し、まるでバックトラックと競いあうかのように、誰も思いつかないであろうロディをトラックに乗せてくる様は殆ど熟練MCのフリースタイル状態だ。しかしそれは決してRAPではなく、きちんとした歌、しかも流麗なメロディをともなった心ある歌になっているところがMusiqの凄いところ。これこそが彼の最大の魅力であり、オリジナリティではなかろうか。そしてこの究極のオフ・ビート・スタイルは自然と強烈なHIP-HOPテイストをリスナーに感じさせる。特に本作は前作に比較してファンク・チューンの比重が多く、女性コーラスも必要最小限に削られてソリッドになった分、前作のロマンチシズムが薄らいで、男臭くストリート感覚溢れる、時流にあった作品に仕上がっている。
正直なところを言えば、曲単位では"Love"、"Girl Next Door"、"JustFriends (Sunny)"などシングル・ヒット・ポテンシャルを秘めた楽曲の宝庫であった前作に本作は及んでいない。現在"halfcrazy"がヒット中であるが、この後に続くシングル候補は故ジョージ・ハリスンに捧げられたビートルズのカヴァー・ナンバー"Something"(Music & Lyrics by George Harrison)くらいしかないのではないか。しかしアルバム全体の流れ、統一感、そして重みは本作の方が圧倒的に上であり、Musiqの成長と彼がこれからのR&B/SOULシーンを引っ張っていくんだという決意が満ち満ちている。
恐らくこれはまだ通過点なのだろう。次、もしくは次の次あたりにとんでもないエポック・メイキングな作品を作ってくれるのでは・・・?そんな確信にも近い期待を抱かせてくれる、充実の2ndアルバムになった。
概要
ミュージックの2ndアルバム『Juslisen』は前作同様ハイレベルな作品だ。ルーサー・バンドロス、スティービー・ワンダー、ディアンジェロから影響を受け、フィリー・ソウルの中では最も注目されている1人だ。特に歌声が成熟したのがいい。『Aijuswanaseing』のころの青臭さは消えて、音楽性の進歩を反映して豊かな声を披露している。80年代後期のビッグ・ダディ・ケインやパブリック・エネミーを思わせるヒップ・ホップ「Caught Up」「Religious」は、前作に収録されていた初々しい「Girl Nextdoor」や「143」に比べるとかなり聴きごたえのある作品だ。シングル「Half Crazy」ではボサノヴァの雰囲気も少し取り入れるなど、新しい分野にもチャレンジしている。
ミュージックは常に楽天的なアーティストとしても知られている。前作・今作ともに苦しみを歌った曲はほとんどなく、数少ない例外「Halfcrazy」「L is Gone」も前向きな気持ちで歌われているから、なんとなくハッピーに聴こえる。ミュージック(元ミュージック・ソウルチャイルド。なぜか妙なスペルはそのまま)をこれから聴こうと思っている人は、まず1stアルバムから聴くのをおすすめする。正直、「Speechless」や「You Be Alright」に匹敵する名曲は今作には見当たらないからだ。しかしファーストを持っている人はこの『Juslisen』もぜひ聴いてほしい。(Jake Barnes, Amazon.com)