わが生涯のトラウマ・アニメおすすめ度
★★★★★
これを見ていたのは、夕方5時半だったろうか、そのときはたまたま
「星が輝くとき」の回や「燃える宇宙」なんかの最終回を見ずに次の
ダイターンに移っていたわけで、思えばそれが幸せだったのかもしれない。
しかし、よりにもよって朝の再放送時には、両方とも見てしまったのだ、
小学生の時分で。
「死にたくないよー!、母ちゃん、怖いよー!!」と絶叫する悪友にかける言葉すら
見つからない、無力な主人公を見て、どんな気分で学校に行けるんだろう。
「うそを言い、争い、だまし、盗む、そんな生き物を善だとは言えない」
という疑問を突きつけられ、おまけに、仲間もお父さんも兄貴も、愛犬の千代錦も
死んでしまうという展開の後に見た安らぎのラストを見て、学校で何を思えばよかったのだろう。
リアルだとか、ガンダムの先祖とか抜きにして、小学生のハートにくっきりと残るようにえぐり、
トラウマを植え付け、原色いっぱいのバイオレンスなアニメで心底感動したってことは忘れられない。
後年、LDで再見したときに自分の子供の時のメンタリティも今と同じだと確認した。
絵は古くなっても、設定がうそ臭くなっても、オモチャに興味を失っても、
スピリットには歳月は関係ないってことだと確信したよ。
泣きたい人たちへ!家族愛の集大成!そして、苦悩の始まり!おすすめ度
★★★★★
富野アニメの原点、泣きたいだけで「ガンダム」を全シリーズ見るくらいなら、これを見る方が早い、すべて集約されています。よくもまあ、全23話で、残酷で笑うことのないアニメを作ったなあと関心させられていますが。「死の見せ方」、「殉じ方」等の表現は今と変わりなく、というより、富野監督は「やりたいことを全てやってしまっていた」という内容です。これ以降の作品は、いろいろな背景が多少ことなるにすぎないと言えます。「鉄腕アトム」の演出で既にやっているという意見、批判もあるでしょうが、その点は御容赦を!
このアニメのテーマは「家族愛」、他の一般的な作品は他人へ向けての愛憎劇ではありますが、家族愛憎劇があったとしても二親等位までの話、「神ファミリー」すなわち3世代、3家で一度に同じ表現をされるから、重みも3倍になってくる。また、脇でも同じような表現がありますから、その相乗効果もあって、すごいものです。また、展開が早いために一人一人に感情移入している暇がないのです。
最終話は「ラスボス」から批判表現のオンパレード、「主人公」の子供に答えさせるにはかなり無理があります。「ガンダム」以降、大人になっていない17歳くらいの子供に無理に結論を出させようとしています。富野監督自身、ウジウジしている「アムロ・レイ」のようなキャラクターを多数生み出しては嫌い続けています。本作品以上に、いろいろな苦悩も増幅されて「アムロ」らに与えられていますが。本作品ほどの命題と回答が「主人公」・「視聴者」にはちょうど良かったのかな、最後に暖かく迎えてくれる人がたくさんいたのが「主人公」に救いとなったのではないかと思います。
タイトルに偽りあり
おすすめ度 ★★★★☆
リアルタイムで子供の時に見て人間爆弾や衝撃の最終回など、結構トラウマになってます。一見子供向けですが、内容は下手な戦争映画よりよほどリアルです。映画フルメタルジャケットやプライベートライアンの様な切迫感があります。タイトル通りの無敵超人では全然なく、むしろ大人になって再見して感じるのは圧倒的戦力差に苦悩する主人公の姿が浮き彫りにされ、当時よくこんなもの子供に見せていたなあと感じます。他のロボット物にあるカタルシス全くありません。ですがアニメ史上に残るリアル戦争物だと思います。