目指せ!ミステリ界の「美味しんぼ」おすすめ度
★★★★★
前回の「タルト・タタンの夢」を読んだとき、これは、「美味しんぼ」みたいだな、と
いい意味で思いました。シェフの料理で悩みを抱えたお客さんがハッピーになったり
元気になったりするという健全でよくありそうな話だけど飽きの来ない感じ。
今回も、2冊目とあって、舞台となるビストロ「パ・マル」のシェフやソムリエなどの
レギュラーメンバーのキャラクターがはっきりしてきて、ますます面白く読めました。
天才シェフ・三船の修行時代の話なども入ってきて、このお話、まだまだ広がって
いきそうです。長い長いシリーズになっていってほしいな、と思います。
おいしいミステリおすすめ度
★★★★☆
下町のフレンチレストラン、ビストロ・パ・マルの三舟シェフが鮮やかに解き明かす事件の数々(誇張含む)。前作の『タルト・タタンの夢』が面白かったのでまた読んでみました。
料理に絡めた謎解きが面白のですが、フレンチについてある程度知っていないと全くわからない謎があるのが難点です。気に入ったお話を2つほど。
・「マドモワゼル・ブイヤベースにご用心」
いつも必ずブイヤベースのを頼むお客さんマドモワゼル・ブイヤベース。三舟シェフが彼女に恋をした!?ひょんなことから彼女の料理の腕前をみることになったシェフが気がついたこととは?
うーん、シェフ、カッコいいと見せつつ、最後にカッコ悪くなっているところから人柄をうかがえて笑えてきます。
・「ヴァン・ショーをあなたに」
フランスで修行時代にシェフが出会ったヴァン・ショー(ハーブやスパイスを加えたホットワイン)作りの名人ミリアムおばあちゃん。彼女の孫は何故、喜んでもらっていたはずのヴァン・ショーを窓から捨てていたのか?
謎解きだけを読めばそういうことかとわかるのですが、実際にこのことを外国人にわかりやすく説明するのは難しいかも。
続編!おすすめ度
★★★★☆
何から読んだかは忘れちゃったけど、近藤史恵さんの追っかけみたいに、著書はほとんど読んでいる。私の近藤史恵ベスト1は、この前作『タルト・タタンの夢』。『サクリファイス』みたいにあざとくなく、『凍える島』みたいに読者を選ばず、すごく優雅に楽しめた。
そしたら今日書店で続編発見! 声にならない悲鳴をあげてとびつくと、結構同じ考えの人がいたらしく、最後の1冊だった。タイトルも前作を読んだ人ならムフフと笑みをもらす趣向。
やっぱりとっても楽しませてくれたんだけど、パ・マルの料理をもう少し堪能させてほしかった。前作との違いを出すためだと思うので、それは3作目でぜひ!!
ぜひ次回作第3弾も書いて欲しいです!!
おすすめ度 ★★★★★
『タルト・タタンの夢』に続くシリーズ第2作目。下町の小さなフレンチレストラン「ビストロ・パ・マル」。ぶっきらぼうな三舟シェフが、おいしいお食事を提供しながら謎解きまでしてしまう。短編7話から構成されいます。★このシリーズ2作目ですけど、1作目に引き続きとても好感が持てました。何よりも三舟シェフの作る数々のお料理がとてもおしいそう。そして、もちろん謎解きも割と淡々としているのですが…。そこがシェフの無愛想な人柄とマッチしています。今回は、三舟シェフを好きな女性が登場したり、迷子の仔猫を巡っての悲しいお話。そして新規のパン屋さんを手伝ったり等々、話題が偏らずにサクサクと読めて面白かったです。第3弾もぜひ書いてもらいたいです。