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+ 時をかける少女 +

時をかける少女

大林宣彦
おすすめ度:★★★★★
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見終わったら・・・
おすすめ度 ★★★★☆

この映画については多くを語りません。
これまでレビューを寄せられた皆さんが、語るべき部分についてしっかり語っていらっしゃるので、私はこのことだけを言います。
見終わったらもう一度、冒頭のタイトルバックを観て下さい。
障子に映るヒロインのシルエットが、そこで一体何を見つめているか、そこにヒロインのどんな想いが込められているのか、イマジネーションをはたらかせて、それぞれの答えを探してみて下さい。
私は初めてビデオでこの映画を観た後、何気なく巻き戻してもう一度タイトルバックを観たとき、全身に鳥肌が立ち、涙がぽろぽろこぼれました。
そこには、恋の想いの哀しい行き違いが凝縮されています。
見失ってしまった愛への想いや、気づかずに見過ごしてしまった愛への哀惜です。その記憶は永遠に消えないまま、孤独なヒロインの中で生き続けるのでしょう。私たちの心の中にも・・・。
この映画は、そんな切なさを観る者の心に植え付ける“悲劇”です。



大林映画の真髄
おすすめ度 ★★★★★

先人が書かれているように尾道三部作以前の大林作品は、はっきり言って”お子様”向きの
駄作(ちょっと言いすぎかなぁ)が多い。
私も興味本位に「HOUSE」や「ねらわれた学園」を観賞したが、思わず失笑してしまう
ほどの出来であった。
大林監督の力量はCMディレクターとしては見事でも、映画を撮る腕はないんだなというの
が個人的な評価であった。
だがしかし、TVで「転校生」を見てこれがあの大林宣彦が撮ったのかと我が目を疑うほど
ショックを受けたのである。斬新なカメラワークとロケーションが巧みに融合し、得も言わ
れぬ叙情性を感じる作品に仕上がっているではないか!!
その後本作も同様にTVで見て、これこそファンタジーとノスタルジーを極めた大林作品の
エポックであると確信するに至った訳である。

作品の中身については今更触れても無意味なので省くが、私が思うに本作こそ”大林映画”
の記念碑的な意義を持つ一本であると共に、”青春映画”というジャンルで見ても素晴らし
い傑作であると断言できる。
主演の原田知世と同世代の自分にとり、80年代に中学から大学までの多感な時期を過ごし
た身としては、卒業アルバムの頁を括る面持ちで「時かけ」を見てしまうのである。
土曜日の放課後の実験室の何とも言えない響きが切ないまでにノスタルジーを掻き立てる。
まさに”感傷”が映画作りの原点と語る大林作品の真髄とも言える作品であり、定期的に
観賞したくなる摩訶不思議な映画だと思う。







名作だと思います
おすすめ度 ★★★★★

原田知世に尽きますね。
尾道の情緒ある町並みを歩き、
ラベンダーの香りに戦く。
少女の揺らぐ心理を見事に演じてます。

尾道の夜のシーン、
教室のシーンが印象的です。
郷愁をかき立てます。
どれも21世紀には存在しない光景ですね。

大林監督のエモーショナルな演出が光ります。
特に火事のシーン。(ぜひご覧ください)

個人的に、
角川アイドル路線の最高傑作だと思うのですが、
博子ファンも同意してくれますかね。



想いは時をかける
おすすめ度 ★★★★☆

アニメ版からコミックへ、そして原作へ。
すっかり「時かけ」の魅力にとり憑かれたわたしはとうとうここまで時を越えてきました。
原作はSF色が強かったのにたいして、映画のほうは純粋な少女の初恋物語として描かれていて驚きました。
アニメ版とも、原作とも違う魅力がありましたね(個人的にラストは一番好きな終わり方でした)。

特典映像の監督インタビューのなかで、この作品はあえて技術に頼らず手作り感を出したかったとおっしゃられてたのが印象的でした。
むかしの尾道の風景をそのまま映像化したかったというのも心に残りました。
そして現在。残念ながら、撮影当時使われた竹林はなくなっているそうです。
けれど、時とともに移ろいゆくなかで、変わらないものをとらえた映像と当時の製作スタッフの想いは一本のフィルムとして「今」も存在するんですよね。
想いは時をかけて、現在もなお「あのときあの瞬間」が鮮やかによみがえる――「時をかける少女」はまさに「時をかけて」いるのでしょう。






概要
筒井康隆の同名SFジュヴナイル小説を原作に、角川春樹製作・大林宣彦監督のコンビで手がけた青春SF映画の名作。ある土曜日の放課後、実験室でラベンダーのような薬品の匂いをかいだ芳山和子(原田知世)は、それ以来時を往来する奇妙な現象に悩まされていく…。彼女が時をかければかけるほどに、実は時の中に閉じ込められていく皮肉は、その後で大人になった者が己の思春期を永遠に心の中で回顧していく痛切な想いをも表しているかのようでもあり、ここでのファンタジーは時間の残酷さそのものを濃密に描くためのツールとして機能している。若手俳優たちに味のある棒読み台詞を読ませ、一方で日本映画史に名高い名優上原謙と入江たか子を起用して、人生の年輪を痛感させる名シーンを構築。時をかけるシーンでの作り物めいた特撮ショットは、映画内の異世界を強調するとともに、尾道の懐かしき風景の数々は『転校生』と『さびしんぼう』の間に挟まれた“尾道三部作”の1本としても屹立させる。そして何よりも、これが実写映画デビューとなった原田知世の初々しさ! かくして彼女の青春期は、永遠にこの作品の中に刻み込まれることになった。(増當竜也)

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