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タイヨウのうた スタンダード・エディション

小泉徳宏
おすすめ度:★★★★★
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湘南の香りとYUIの歌声が心地いい佳作
おすすめ度 ★★★★☆

本作は哀しいラストを迎える純愛ものなのに、観終わった後の心地よさはなんだろう。主演のYUIが歌い上げる曲の爽やかさが大きく貢献していることは間違いないが、湘南を舞台にしていることもポイントであろう。鎌倉駅前や、横浜西口ビブレ前での薫のパフォーマンスには真実味もある(ビブレ前の共演者は映画のマジックとして有効。んなことありえない、という否定は映画そのものを否定してしまう)。実際にあの周辺にはあんな女性シンガーいるもんな。いわゆる「泣き」系の映画とは一味違う佳作であり、塚本高史や岸谷五朗も好演している。お勧めの一作である。



ギター少女が生きた軌跡
おすすめ度 ★★★★★

いわゆる「難病もの」ですが、主人公・雨音薫はただの可哀相な障害者
ではありません。夜な夜な公園に出かけて行っては好きなギター演奏を
し、窓越しに眺めるサーフィン少年にひっそり片思いをする、ちょっと
風変わりで可愛らしい少女です。
彼女は普通の生活が出来ません。でも「どうせ私は病気、何したって駄
目なんだ」と絶望しかけた時、彼女には音楽があり、彼女自身を大切に
思ってくれる人達がいました。これは一人の少女が恋を知り、周囲の愛
情に支えられながら、ひたむきに生きる物語です。
この映画に出てくる人達は、皆とても温かみがあります。私は少年の大
事なサーフボードを友達が買い戻して来てくれる、ほんのワンシーンが
とても好きです。ぱっと見は主演YUIの歌声がとても目立っています
が、底流にあるのは実に日本らしい血の通った脚本です。拙い部分は
多々あれど、地味にイイ作品なので是非一度観てみて下さい。



この映画に含まれている要素は何1つ欠けてもいけない。
おすすめ度 ★★★★★

 久々に観た100点満点の邦画。新人の監督が作った事を後から知ってビックリした。
 この30歳にも満たない監督は今までどんな映画を観てきたのだろう。私の大好きな古典映画の手法をフンダンに織り込んでいる。そして決して熟練とはいえない主役2人の演技を見事にフォローしている。

 原作のない、オリジナル脚本でヒットした映画なんて近年存在しただろうか?
 映画は映画を原点に始まらなければ、日本映画の未来なんて絶対ないと思う。

 内容は、よくある「難病モノ」と言ってしまえばそれまでの話なのだが、奇をてらわない自然な展開、主演のYUI、そして彼女の歌、全てが完璧だ。どれを変更してもいけない。変更した途端、後から出版された原作本やテレビドラマのように薄っぺらなものになってしまう。
 偶然の産物かもしれないが、それこそが芸術なのではないかと思う。


概要
雨音薫16才。彼女はXP(色素性乾皮症)という難病のため太陽の光にあたることができない。深夜に駅前広場で歌うことが唯一の生きがいの薫は、日の出前にサーフボードを抱えて現れる少年、藤代孝治(塚本高史)に窓越しの恋をしていた。運命は2人を引き寄せるが、薫に残された時間は残りわずか。そんな薫のために、孝治はある約束をする…。 シンガーソングライターYUIの映画初主演作。命の灯を最後まで懸命に輝かせ続ける少女の役を熱演している。塚本高史も純情でまっすぐな少年役を好演。せつなさの中に生の喜びを力強く感じさせてくれる珠玉のラブストーリー。YUIの劇中歌は薫の気持ちが痛いほどに伝わり、思わず胸が熱くなる。(仲村英一郎)

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