建物、衣装、小物の隅々までジャン・ジャック・アノー監督こだわりの中世修道院世界の再現、主演のショーン・コネリーの痺れる様な渋さ・・等々、ミステリー・教会美術・歴史好きとしては大絶賛の映画です。
が、さらにDVDにはアノー自身が語るメイキング・フィルムが130分!加えてアノー自身がスタッフ関係について語るのインタビュー・フィルム、さらに、ドイツで作られた解説フィルムまでついていてお得感タップリ、1本(枚?)で数倍楽しめます。せっかくこんなにお得なのに外ジャケットには「映像特典:59分」としか書いてないのは何故?
両方そろえるしか・・・おすすめ度
★★★★★
名作と言うには原作に及ばず。しかし、傑作。
原作を読めば傑作に観えるし、読んでおられなければ名作にも観えるだろう。
ショーン・コネリーの嬉々とした「苦笑い」の続く演技。この作品で彼がオスカーを獲れなかったのが不思議だ。
”羊”の”ハニバル”ホプキンスと同等の名演なのに。
クリスチャン”最近どうしてる?”スレイターの朴訥とした佇まいも何度観ても心が躍る。
僕はビデオで10回以上観た(トリミングがムチャクチャ!ですが)ので、一生ものだと思ってDVDを購入して心躍らせて観た。
改めて傑作であることに何らの疑いもない。ましてや「ダビンチ・コード」のあと。さらに深みが増す。
メイキング(独国制作)も嬉しい!
ただし、みなさんが指摘された通り、この作品の根幹を成す最後のメッセージがDVD版にもかかわらず削除されているのだけは。。。!?
劇場とビデオでご覧になっておられない方々のために記しておきます。
「薔薇は神の付けたる名にして、我らが薔薇は、名も無き薔薇なり」
暗黒中世の再現
おすすめ度 ★★★★☆
中世の暗黒時代が良く現わされていました。宗教観など、我々日本人には多少わかりにくい複雑な中世の宗教問題があります。禁書を巡る殺人は、ダビンチコートを思い出させるものがあります。S・コネリーの持ち味がとてもよく、お勧めです。
概要
1327年、北イタリアのベネディクト修道院にフランチェスコ派の修道士ウィリアム(ショーン・コネリー)とその弟子アドソ(クリスチャン・スレイター)が、会議の出席のためにやってきた。しかし、そこで連続殺人事件が起きたことから、ウィリアムは究明に乗り出すことになるが…。
ウンベルト・エーコのベストセラー小説を『愛人ラマン』などの名匠ジャン=ジャック・アノー監督のメガホンで映画化したミステリ映画。中世ならではのアイテムが次々と繰り出されることで、暗黒の時代色が巧みに醸しだされるとともに、観客を不可思議な迷宮へと誘う演出が。S・コネリーは、80年代の彼の代表作といっても過言ではない名演を見せてくれる。残酷かつ狂気に満ちながらも、どこかユーモラスな、超逸品のエンタテインメントである。(的田也寸志)