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旅のラゴス (新潮文庫)

筒井 康隆
おすすめ度:★★★★★
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「アルケミスト」より優れた名作だと思う
おすすめ度 ★★★★★

世界1000万部の大ベストセラーといわれるパウロ・コエーリョの『アルケミスト』と似たような不思議な雰囲気を漂わせた名作。

どちらも主人公が愛する人を心残りに思いながらも旅をし続けて歳を重ねていくという点で非常に似通っているのだが、
『アルケミスト』がやや宗教的というかスピリチュアル的な要素が強いためやや説教じみた部分を感じるのに対して
『旅のラゴス』はややSF的であるが癖がなく読みやすい。
 
そして人生についてより深く考えさせられるのも『旅のラゴス』の方である。

ただ、もしご興味があれば『アルケミスト』と読み比べてみると面白いと思う。



日本語で書かれたことが奇跡とも言える傑作
おすすめ度 ★★★★★

「人生そのものが旅である」と書かれた文章に触れたりする事がある。
非常に漠然と抽象的なコピーだからいまいちイメージがつきにくい。
まだ年端も行かない子供に、若者に、そしてある程度人生を送ってきた年配者に、
具体的に人生とはどういったものかというヒントを与えてくれる1冊
と言っても良いのが本作である。

この作品を読了した最初の感想は「この作品が日本人作家によって
日本語で書かれたこと自体が奇跡である。」というものであった。
本作の性質から言って筒井の数多ある作品の中でも異彩を放っている点
については異論を挟まないであろう。

本作はSFファンタジーの世界を舞台にしているが
ようは一人の男の青年時代から老年時代までの時間を
それぞれ印象に残るエピソードを交えながら
淡々と冷静に書き連ねていく人生物語である。


頻繁ではないかもしれない。
しかし年に一度は手にとって読みたくなるような1冊。
「傑作」と言う意味を知りたければ本作を読めば分かるであろう。



人生に関する考察と思考実験のたまもの?
おすすめ度 ★★★★★

久しぶりに,かなりよいと思える小説に出会った。筒井作品の中では異色と言われているが,全然よいと思う。地球によく似た,しかし異なる世界(時間的にはだいぶ未来だろう)を旅する主人公ラゴス。彼の求める「何か」を通して,他者との関わりと愛情,知識と実践,実社会から一歩引いたところにある内的な人生観に関する,著者の考察と思考実験が綴られてゆく。この小説は,一種のシミュレーションとも取ることができそうだ。ラストに「旅の答え」がはっきりと提示されるわけではないが,そのような終わり方をするのがもっとも効果的な物語の1つだと思った。



とにかく面白い!
おすすめ度 ★★★★★

最高に面白かったです。旅先での出会い、別れ。そしてまた旅。読み終わった後、とても心地がよかったです。
私はザムラの話、ポロ村での話が一番好きです。



時間の長さに価値があるわけじゃないのか
おすすめ度 ★★★★★

 異世界の話、と聞くと「ファンタジーかよ、こどもっぺぇな」となりがちな私が「おお、すげぇ」と思った作品。
 筒井氏の作品の中では異色な存在らしいが、それが少し残念だ。しかし、何作も続けて書いたとして大人を満足させられる質を維持できるようなジャンルでもないので、しかたないとも思う。
 超能力だとか滅亡した高度文明だとか、いかにもな設定を設けながらも読ませるのは、そこに大人の思考や観察があるからだろう。馬鹿馬鹿しい話だと感じたページはなかった。

 主人公がいとも簡単に年を重ねてしまうのが、切ない。一番の印象はこれ。
 


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