やはり3部作全部鑑賞するのがベストおすすめ度
★★★★☆
第一部を見て、私の映画人生で初めて興奮のあまり夜眠れないほど感動した勢いで、この3部作を購入。序曲そして最終部を全部見て、ヤンとラウの、過去から繋がる「宿命」とヤンの殉死後ラウの行く末を見るまで、まるで入学試験の結果発表前みたいに、じりじりして落ち着かなかった。私的には、今後絶対アジア映画を見よう!!!と決心するぐらい心酔した第一部が好き、そして、宿命的な対決をするしかなかったヤンとラウの運命を理解するには、やはり3部作全部鑑賞するのがベストなので、購入自体は後悔していません。しかしながら、「もしかしたらIIとIIIはIと比べてレベルダウンしているかもしれない」といういやな予感が的中してしまいました。
「監督も同じ、スタッフもほぼ同じ。でもどうして、せめて同じぐらいのレベルの映画にできなかったのか?」IIもIIIもそれなりに悪くはありません。でも、Iにあったあのしびれるような衝撃と感動が残念ながらないのです。
特にIIIは、ラウが精神的に病み自滅していく後半では、何か幻想で何が現実か、一回見たぐらいでは分らないほど、ストーリーと時間軸が複雑で分りにくくなっています。アンディ・ラウは、強いかっこいい男性像を演じるにはぴったりだけど、内面から崩れていく弱さとモロさを演じるには、不向きなのかもしれません。
また、特典として、トレイラーしか入っていないのには、正直がっかりしました。3部作とするからには、もっと特典映像を充実してもらいたかったと思います。いろいろ不満を言いましたが、香港発の映画がこれだけ成功するのはとても嬉しいことです。インファナル・アフェアーがきっかけで私のようにアジア映画に目を向ける人が増えるといいなあと切に思ってます。
絶対必要でお買い得
おすすめ度 ★★★★★
絶対、3部作で見ないと損します。原題は「無間道」で、終わりの無いこの世の地獄を意味します。昨年はリメイクの「ディパーティッド(死者、故人)」が公開になったので、オリジナル3部作を一気にやった劇場もありました。順番は当然2、1、3でした。2はヤンとラウの若い頃で香港返還まで、3ではヤンの死後が描かれます。3部作とも、監督の描き方が奇をてらわず、誠実で、ブレがありません。俳優が素晴らしく、演技のすみずみにアジア的な繊細さがあります。陳光榮(チャン・クォンウィン)の音楽も、もはや世界レベルで心に響きます。3部を通じて、さまざまな謎があるし、名作として見直しました。2002年、2003年当時はそこまで思っていなかったのですが「ディパーティッド」がアカデミー賞を取ったので、今は「インファナル・アフェアこそ受賞すべきだった」と思っております。