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人生、成り行き―談志一代記

立川 談志
おすすめ度:★★★★★
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立川流家元・立川談志の語り炸裂、真剣・壮絶な落語との格闘人生!
おすすめ度 ★★★★★

■立川流家元・立川談志が、その足跡を自ら語る激動の一代記。面白くないわけがない。聞き手は、演芸研究家で立川流顧問の吉川潮。
■談志は1935(昭和10)年12月、東京小石川に生まれた。中学のとき落語家になろうと決意し、16歳で高校生活に見切りをつけて柳家小さんの弟子になる。入門約2年後、18歳で二つ目昇進。このとき、あいつはナマイキだから遅らせろという声も出たが「あれだけうまけりゃ仕方ねえ」という意見も出る。若い頃から談志は突出していたのだ。
■彼は落語だけではなくブラック・ジョークや漫談(スタンダップ・コメディ)にも関心を広げキャバレーまわりで修行を重ねる。27歳で真打昇進。71年には参議院議員選挙で当選し一期つとめた。まさに波乱の人生――。
■本書の白眉は、やはり78年の落語協会脱退・復帰、そしてついに83年47歳のときに落語家協会を脱会して立川流創立に至る部分だろう。
■談志は、再三「プライド」という言葉を口にする。これは安っぽい意地や名誉欲などからの発言ではなく「落語」に対する高い誇りから発せられているのだ。私見では、彼は地上から遠く離れた高みにある《落語の神々が集う世界》を昔から見すえてきたのではないか。巻末の、志の輔を交えた鼎談を読むと、つくづくそれを実感する。



おかみさん則子(ノンくん)ネタが大収穫。
おすすめ度 ★★★★☆

 なんと言ってもおかみさん則子(ノンくん)のネタが楽しい。「あ〜、このおかみさん
だから家元がいつまでも現役として芸に打ち込めるのか!」という発見が、この本で最大
の収穫だと思う。ネタばらしになるが、一つだけ「ノンくん語録」を紹介しよう。
「あたしはペットなの。でもいいペットでしょ。トイレも自分で行けるし、ラーメンも作れる
し」なんと味のあることをおっしゃる方だろうか。昭和35年、家元24歳、則子さん22歳
の時の新婚時代の写真の可愛いらしいこと。今も素敵な女性なのだろう。
 師匠小さんのこと、修行時代の仲間のこと、昭和53年に起こった騒動の背景などについて
は他の家元の著作(『談志楽屋噺』など)のほうが詳しく読み応えがある。しかし、この本は
吉川潮さんというニンな聞き手を相手に、ほろ酔い気分で奥さんのことまで語りおろした家元
のリラックスした姿を想像できる楽しさがある。最後の志の輔を交えた対談では、「そこまで
志の輔ばかりを評価するの?他にもいるだろう!」という思いもないわけではないが、よく考
えると、立川流の今日の隆盛は、たしかに志の輔の存在抜きには語れない。小朝に関する
コメントも同感だ。たしかに志の輔は小朝を抜いた。でも小朝にも巻き返しを期待したい。
 これからも家元の芸にミューズが降臨し、第二、第三の「鉄拐」「芝浜」が誕生することを
期待したい。



たしかに集大成。
おすすめ度 ★★★★☆

家元の本はけっこう読んでいるので、ほとんど知っているエピソードが多かった。高座でも好きなジョークは何年も言い続けるし、まあそれも愛敬。時系列通りに順序立ててここまで語ったのは初めて、という意味では集大成の観はあります。とりわけ談志落語の「イリュージョン」について、ここまで噛みくだいて自己分析したのは活字では読んだことがなかった。ゲストに志の輔を呼んだ最終章、志の輔さんのいい思い出になるだろうなあ…。



これは「遺言」のようなものか?
おすすめ度 ★★★★★

立川談志が語り下ろした自らの半生記。
過去にも「談志楽屋噺」など類似した内容はあったが、かなり真っ正面から、飾ることなく本音を語っている印象で、ある意味「遺言」に近い内容かとも思える。

やはり読み堪えがあるのは、円蔵、円楽、志ん朝との四天王時代のエピソードや、参議院選挙に関する政界話、落語協会分裂の内幕といったあたりか。

志ん生が倒れたため、入門わずか5年で、談志、円楽らを抜いて真打昇進が決まった志ん朝に対して、
「志ん朝の真打昇進が決まった時、彼に直接「辞退しろよ」とあたしが迫ったというのは事実です。(中略)そこで志ん朝が、「いや、兄さん、あたしは実力でみんなを抜いたと思ってる」と応えたのも事実。うん、立派だね。」なんてあたりが、個人的には堪えられないところ。

また、政治の先輩?である青島幸男について
「頭はいいんですよ。選挙にせよ、格好いいやり方で押し通したし、それで当選し続けたんだし。ただ、その格好いいやり方というのが、あたしにいわせれば野暮なんだよナ。」というのも、まったくその通り。

しかし、この半生記を読んで、談志の小さん師匠に対する愛情を、ほんとうに深く感じたなあ。


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