他の方がいろいろ書いているので、あまり書きませんが、つい60年前に、僕たちの祖父や祖母がまだ若かったそう遠くない過去に、このような悲劇が世界で起きていたことをこの映画を通して記憶に留めていただきたいです。
泣ける名作だが、鵜呑みにするのは危険。おすすめ度
★★★★★
名作。私は何回もこの映画を見たのだが、いつもラストのシンドラーがユダヤ人たちに向けて泣きながら演説するシーンで号泣してしまう。
わんわん泣きながら、強く思うのだ。やっぱり人助けは素晴らしい!私もシンドラーのように慈悲深く生きていこうと。
しかし、この映画を何回も見て、ナチ関連の様々な本を読んでいるうちに気付いたことがある。
この映画はナチの残虐性を誇張して描いている、政治的な意味合いをもったプロパガンダなのだと。
分かりやすく言うと、北朝鮮の日帝を悪役にした国営のドラマみたいなものだ。誰が見ても極悪人にしか見えない日本兵が大暴れする例のあれだ。
だから、この映画のすべてを鵜呑みにするべきではない。人助けが素晴らしいのは疑いようのないことだが、プロパガンダをそのまま信じこんでしまうと、公平な視点で世界を見ることができなくなる。
ユダヤ人はたしかにナチに酷いことをされた。
だが、しかし、ユダヤ人だってパレスチナ人に酷いことをしたし、また今も現在進行形で酷いことをやり続けているのだ。
この映画は名作だが、歴史を学ぶ上ではあくまでひとつの資料として参考になる程度のものでしかない。
人間として有る為には見るべき作品ですおすすめ度
★★★★★
今更この作品の背景を説明する必要も無いでしょう。もし知らないのであれば、20世紀の世界史をシビアな目で復習してから見てください。
これは言葉では言い表せないメッセージを伝えてくれる作品の1つです。
コレクターズ・エディションでは更に彼が私たちに残してくれた物が紹介されております。
シンドラー自身は最初から正義の人ではなく、軍からの注文を増やす為に上級士官たちに賄賂を贈っている経営者でした[当時も今も、世情は変わってもやる事は同じなんです。私は彼を愚劣と見下すことは出来ません]。
でも、彼はある事から考えを変え、資財を投げ打って多くの命を救いました。その命は脈々と受け継がれ続けるのでしょう。
映画ですから全てのセリフが真実であるとは思いませんが、「シンドラーのリスト」は「命のリスト」です。
戦争と人間を描いた映画
おすすめ度 ★★★★☆
見方はいろいろあるだろうが、私は「戦争」と「人間」をオスカー・シンドラーという人物を中心に描いた映画であると思う。
単に戦争の悲惨さだけをうったえているだけではないところが良い。
迫害されるユダヤ人の映像が多いのだが、その中で加害者という立場であるナチスの視点からも見ているところがとても興味深い。
大抵の映画の場合、ナチスなどは人間味が薄く扱われると思うが、この映画で登場するナチスの将校はとても人間味のある役だ。
ここが他の映画と違って面白い。戦時下の人間というものを加害者側からも見ているのである。
(単に見ているだけではなく、心理にもせまっているという意味で他とは違う)
演じるレイフ・ファインズは、冷酷に虐殺をしながら、しかも人間味あふれるというとても複雑な役を見事に演じている。
到底理解できないと思っていた彼らの心理も、わかってきたような気がする。
そんな人間を見て、戦争というものがどんなものかもよく伝わる。
スピルバーグがオスカー受賞のために作った映画だとしても、それは映画の評価とは別。
高い完成度で、他のものとは一線を越す内容の素晴らしい映画である。
概要
第二次大戦下のドイツ。実業家シンドラーは軍用ホーロー器工場の経営に乗り出し、ゲットーのユダヤ人たちを働かせた。やがて彼は、ユダヤ人たちを強制収容所送りから救うのだった。
スティーヴン・スピルバーグ監督が、念願のアカデミー賞を受賞した大作。ナチスの収容所で命を落とした親族がいるスピルバーグは、監督料を返上してまでもこの映画の製作に取り組んだ。
オスカー・シンドラーを演じたリーアム・ニーソンは、この映画でスターとなり、ナチスの将校を演じたレイフ・ファインズも大きく羽ばたいた。さらにベン・キングズレーらの脇役の熱演も光っている。20世紀における歴史的な出来事を再現した記念碑的な作品といえるだろう。(アルジオン北村)