故郷の島、海神に捧げる神事、おすすめ度
★★★☆☆
閉ざされた狭い場所、島の昔からの神事、その古い慣わしのために犠牲になるペアの話。
気持ちの読めない戎滋と、その戎滋を昔からから想っていた水哉が島の為に、その風習に従うのだが、
閉じ込められ、自由を失い・・・その辺りは、やはり軽く監禁入っています。
気が狂っちゃいそうなほど 暗い場所での暗い話。
物語をちょっとばかり掻き回す従兄弟の滋郎がおりますが、
なんだか半端に良い人で、期待が少々外れました。
暗い話で、波に揉まれ?気持ちもどよ〜んと沈みます。
エロのテーマパーク
おすすめ度 ★★★★☆
時代は昭和初期、海神信仰が100年続く小さな島が舞台。
漁業と真珠の養殖で暮らす島には、代々海神に仕える一族がいて、彼らの中から輝血(かがち)様と巫女が選ばれます。
二人は年に一度の神事で海神に身を捧げ、一年間の豊穣と平和を島民に約束するのです。
隔絶された孤島、エロティックな神事、因習に伝説と、ストーリーは作りこまれています。
ただ作者の特徴である濃いエロシーンについては、私は萌えるというよりひたすら感心して終わってしまいました。
舞台設定が上手いだけに、水哉が次々体験するエロがテーマパークのアトラクションのようです。
始めは巫女の性教育アトラクション、道具アトラクション、次はなんだ、触手アトラクションか!出たな海神!それにしても盛りだくさんだな!みたいな(笑)
本当に作者はエロについて考えたり書いたりするのが好きなんだなとビシビシ伝わってきました。
それにしても、脇キャラの滋朗も加わり島の近代化に力を合わせていくという結末は、沙野作品らしからぬ(?)健全さ。
近代的精神の持ち主である滋朗がなんとも気の毒な役回りで、思わず同情してしまいましたよ。
今回は新レーベルということで今までと違う作風を狙ったのかもしれませんね。
どう評価するかは読者によってわかれると思います。