三丁目の夕日に染まる寄席の佇まいが目に浮かぶおすすめ度
★★★★★
この本はいくつもの顔を持つ。田島謹之助さんの貴重な噺家達の写真集、という顔。そしてそれぞれの噺家についての家元談志師匠の鋭くも愛情豊かな解説。まさにそれはよき時代と噺家達への恋慕を語るエッセイの佳作といえる。そして、その解説の内容をよく読めば、当時の噺家とネタについての家元の批評が現代落語界への風刺にもなっており、優れた落語評論である。そして、「あの時代に、三丁目の夕日が朱に染まった寄席に、こういった噺家さん達が間違いなく存在したのだ!」という歴史書の側面だってある。読み進むうちに、膨大な写真集を目にして「この歴史は残さねば、今のうちに生きているうちに語っておかねば」という家元の執念までも感じさせる落語愛好家必携の書。
はなしかのつらがまえおすすめ度
★★★★★
寄席のない街に棲んでいたので、
「落語」は耳で聞くものだった。
やがてテレヴィが家に来た。
動く「はなしか」をはじめてみた。
おもしろかった。
近頃、
「はなしか」をテレヴィであまり見なくなった。
そんな時、手に取ったこの本。
どの頁からも、昭和の存在感があふれ出てくる、
落語家の面構え。
立川談志師匠の文章も、ほとんど「恋文」だ。
美しい。
その時に居たかった
おすすめ度 ★★★★★
写真が素晴しい。
まさにその時の落語が蘇る写真。
落語家ってこんな顔なのだ...と新たに認識した写真。
立川談志でなければ書けない文章。
居てくれて良かった。