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+ インファナル・アフェア +

インファナル・アフェア

アンドリュー・ラウ
おすすめ度:★★★★★
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アジア的な、あまりにアジア的な
おすすめ度 ★★★★★

マフィアの幹部、実は潜入捜査官のヤン
エリート警官、実はマフィアのラウ
この二人の運命を描いて物語は交錯していく……

こう聞くと、まるで正義の立場のヤンとそれを脅かす悪の権化のラウによる勧善懲悪のストーリーかと思われそうだが、ことはそう単純ではない
基本的な構造は先に述べた通りだが、物語の中で悪であるはずのラウはささやかな幸せを目前に(端から見れば虫が良すぎる願望に)迷う人間であり、正義であるはずのヤンはその誇りと自負故に無自覚な傲慢さでラウを傷つけ墓穴を掘ってしまう人間である
この対称的な二人の間で、いや、時には一人の人間の中でさえ善と悪はまるで回転するたび形を変える万華鏡のように容易にその姿を変えていく
そしてその変化は観客をも巻き込んで、その時々の私たちの精神状態によって観るたび新たな視点や感想をもたらしてくれるのだ

この映画は、飽きるということがない




長生きは最大の地獄
おすすめ度 ★★★☆☆

ハリウッド的なインターナショナルな映像を撮るアンドリュー・ラウ監督『インファナル・アフェア』は、俳優がしゃべる香港語のジャッキー・チェン・ムービーのような甲高いイントネーションが最後まで耳障りであり、作品のもつハードボイルドな雰囲気を半分壊してしまっていた気がする。最近映画館でみたアン・リーの『ラスト、コーション』内で使われていた流暢な中国語と比べると、映像とのマッチングという意味では格段の差があったような気がする。

<無間地獄>というサブタイトルが、そのまま本作品のテーマであったことがラストに示される。それは、警察とギャングに潜り込んだ2匹の犬のうち、生き残った方が一生ビクビクして過ごさなくてはならず、むしろ殺された方がよっぽどマシなほどの地獄である。自分の人生が最も大切で、何がなんでも生き続けなければならないと頑なに信じている人にとっては、釈迦の説く<長生きは最大の地獄>という言葉の意味は一生わからないかもいしれない。

“共倒れ”というまったく別の結末を選択した本作品のリメイク版『ディパーテッド』がアカデミー作品賞を受賞したが、同時にオリジナルのもつ深いテーマ性が失われたことは間違いない。それにしても、訓練生時代の2人になぜまったく別の俳優をわざわざ使ったのだろう?高々10年、多少若作りすれば事足りたのではないかと思う謎のキャスティングが少し気になった。



男の美学!
おすすめ度 ★★★★★

 このシリーズは2、3と続きますが、この作品だけを見ても充分すぎるほどの内容で逆に「2と3は見ない方がいい」という人もいるくらいです。私は2と3もみましたが「続編」ではなく2が過去、3が未来を描くことでこの作品を「解説」しているようでした。

 作品の構成、展開、映像、登場人物、結末どれをとっても最高の出来です、アジア映画のハードボイルド作品の中では間違いなくNO.1なのではないでしょうか?

 ストーリーはマフィアから警察に送られたスパイと警察からマフィアに送られた潜入捜査官
がお互いを見つけ出して始末しようとする、そして彼らを取り巻く人物が彼らを悩ませるが、二人とも自分の任務を遂行することを優先するという内容。

 アンディ・ラウとトニー・レオンが男のかっこよさである「秘密を守ること」「自分の仕事に集中すること」「孤独に耐えること」を見事に表現していると思う。

 また、美人カウンセラーのケリー・チャンも必見。



無間地獄
おすすめ度 ★★★★★

警察学校を退学扱いになり身分を隠して香港マフィアに潜入した警官ヤン(トニー・レオン)と警察に潜入したマフィアのラウ(アンディ・ラウ)の駆け引きと潜入という地獄の業に苦しむ様をスリリングに描いた快作。正体がばれると殺されるという恐怖が絶えることなく永遠に襲いかかるというまさに「無間地獄」が特にヤンの方から痛々しいほど伝わってくる(ヤンは精神的にも崩壊寸前でケリー・チャン演じる精神科医に看てもらっている)。一方、ラウの方はマフィアのボスに一生使われる苦痛から逃れる方法を考える余裕があり、どちらかというと上手く世を渡っている感が強く、どうしてもヤンの方に感情移入してしまう。
この2人の駆け引きは前半の麻薬取引での情報のやり取りで緊張感とスピード感いっぱいで描かれているし、無間地獄から脱しようとする策をめぐらせる展開はテンポも良く素晴らしい。そして、ヤンが精神的にダメージを受けながらも警官としての誇りを全うしようとする点を丁寧に描いているところなど単なるサスペンス・アクションレベルではない。
ハリウッドが見逃すはずがなくマーティン・スコセッシ監督が「ディパーテッド」としてリメイクしたほどの傑作だが、仏教の「無間地獄」をテーマとしたこの重厚な作品の真の意味はハリウッドでは描けないだろう(「ディパーテッド」とは「死に値する者」の意味)。
私の好きな宍戸錠に似ているアンソニー・ウォンがヤンの上司として登場し作品の渋味をアップさせているし、エリック・ツァンがマフィアのボスを十分な迫力で好演しているところも作品の質を上げている。2作目以降に潜入した2人の因果が描かれる等シリーズとしても冴える傑作だ。



男なら1回は観ないと!
おすすめ度 ★★★★★

男なら1回は観ておかないと損をしますよ!

香港、警察、暴力団、裏切り、潜入、味方、忍耐、絆・・・・

アンディ・ラウ、トニー・レオンが輝いてます。

この二人の俳優が出会い、この二人だからなしえた名作!

また、アメリカ、日本ではつくれない、香港だからこそのいい味が存分にでてます(うれしくなります)。

男が生き方を考えるとき、「ああ、こういう生き方をする人がいるんだぁ。こういう運命もあるんだぁ」と参考になります。

それから、やっぱり、人の“信頼”の大切さをしらされます。

人の“裏切り”への償いというものをしらされます。

人の“性(さが)”をしらされます。

ハリウッドが、カバーしましたが、この原作をこえることはできませんでしたね。
ただ、ハリウッドがカバーしたという事実が、原作を引き立たせてくれますね。


概要
マフィアの組員の18歳のラウは、ボスのサムの指示で香港警察に入る。一方、ラウと同じ警察学校に通っていたヤンは組織犯罪課のウォン警視に見込まれてマフィア世界へ潜入。10年後、ラウは警察内で出世し、ヤンもサムに気に入られて麻薬取引をまかされるまでになっていた。そんな中、マフィアも警察も内部情報者がいると知り、双方とも裏切り者を探す指示をラウとヤンに下すのだった……。
極限に追い詰められていく男たちの心理と、潜入の末の心の変化が生み出すドラマがヘタな説明台詞なしに描き込まれていて、胸を熱くするとともになんともやるせない気持ちにさせてくれる。また麻薬取引日のラウとヤンによる情報合戦は実にスリリング。展開も予想がつかないし、最後まで釘づけにさせられること間違いなし。実に見事なフィルムノワールだ。(横森 文)

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